前回の続きの話となります。
どんな風邪にも共通する治し方。
それは、
『薬を用いず、熱が上がるように、無理のない範囲でいつも通りの生活をする』
そして、
『熱が平熱以下のときにのみ、体を休める』
これだけです。
他は、要りません。
風邪は、どんな風邪でも熱が出るものです。
熱を出すために、風邪を引くのです。
体が熱を出したい、欲求があるのです。
熱を出して、体にある硬結を溶かすことが、風邪の目的なのです。
ですので、熱さえ終わってしまえば、風邪を引いている理由はなくなります。
風邪を早く治したいなら、熱を抑えず、上げてしまうことなのです。
体を十分温めたり、温かいお湯やスープを飲んだり、後頭部を温めたりすることです。
汗が出るように過ごす、と言っても良いくらいです。
図を見てください。
これが、時間と熱の関係です。
このように体が出したい熱の粋まで持っていかないと、風邪はなかなか消えないのです。
例えば、
薬で抑えると、熱は上がらないけど、いつまでもダラダラと微熱が続きます。
体が不完全燃焼状態だからです。
そして、体が変わらない(呼吸器が緩んで挙がらない)ので、
体はリフレッシュできず、鈍いまま強張ったままになるのです。
世間の一般常識の図式
風邪を引く → 薬で抑える → 風邪を引く → 薬で抑える …
を繰り返すと、少しづつ体も心も、キレが鈍くなります。
そして周りから疎まれる性格になったり、大病をこしらえる体になっていきます。
この時、カワイソウなのは、
「気が付かぬは、本人のみ」
という状態になるからです。
体も心も鈍るので、自分のことを客観視できないし、
おかしいと思う感性すらなくなるのです。
そして「世の中、オレの人生、こんなもんだろ」と、うそぶくようになるのです。
家族や会社の人など、身近な人は実に大変になります。
このように風邪を薬で治すメリットは、まずありません。
未来を捨てても、今ナントカしたい場合のみ以外は、デメリットの方が多いです。
なので、
風邪になったら、無理のない範囲で通常通りの仕事をして、過ごすことです。
なるべく変に大事にせず、
積極的に熱が上がるように、体を使っていくことが、秘訣です。
お風呂に入ることも問題ないですし、脚湯を積極的にして頂ければと思います。
体操や愉気も積極的にして下さい。
体が求めている状態なので、かなり気持ち良いです。
注意があるとしたら、
平熱以下の時期を含めた風邪の期間は、体を冷やさない工夫は、必要です。
この期間が、最も重要な時期です。
この時は、汗を引っ込ませること、冷えることには、よく注意してください。
冷えることは、余分に風邪が長引く最大の原因になります。
また、ハードな肉体労働や、長時間のPC作業や、精神的負荷が重いこと、
は避けて下さい。
通常この時間は睡眠時間に来ますが、時折昼間に来ることがあります。
その時は、会社や学校も休む方がいいです。
熱が平熱以下に下がった時こそが、休み時なのです。
ちなみに、
咳風邪はあまり高熱にはなりませんが、8.5度以下が多いです。
腎臓系統の風邪は高熱になり、8.5度より高くなるのが通例です。
熱を上げられるのなら、できれば40度を目指して頂きたいです。
自然に40度以上になると、風邪の経過後が全く変わってくるからです。
高熱が出せるということは、その体の体力がまだある=若いという証拠なのです。
40度の風邪を経過した後の爽快感、これは人間をしているなら
是非一度は体験して頂きたいエクスタシーです。
ただし、肺の弱い人は、少し注意が必要です。
まとめますと、
・汗をかいて、汗を生乾きさせず拭き取ること
・平熱以下の時だけは休むけど、後は無理のない範囲で動くこと
・後頭部の蒸しタオルは、熱が上がり切らない時に良い
この三点さえ覚えておけば、とりあえずはいいです。
ちなみに、
インフルエンザや、子供の三大病が流行るとビックリする人が多いですが、
インフルエンザも何も、基本は風邪と同じ対処です。
なるべく普段通りの生活に勤しみ、汗の内攻を避け、
蒸しタオルや呼吸器を挙げる体操などして有意義に過ごして下さい。
風邪を経過している体は、本当にしっかりしてくるものです。
是非経験して、本来の体を取り戻して下さい。
風邪を経過した後の快感を、少しでも多くの方が実感して頂ければ、幸いです。