世に優れた治療法は、多くあります。
整体はその中の一つですが、あなたにとって最高なものとは限りません。
なぜなら、最高にするのもしないのも、あなたの力だけが左右するからです。
ですので、依存するのではなく、
個人指導から得たいものを明確化して、受けるようにして下さい。
個人指導は、ヒントや手伝いにすぎません。
体操をしっかりして頂くため、整体生活を軽やかにして頂くための補助です。
もし過剰な意味を期待し、依存されるなら、臨んだ結果は得にくいと思います。
『回復の三段階』を経ると、本当に心も体も軽くなります。
それは、比較しようのない心地よさです。
整体を本当に理解するのは、体感するのは、ここを体験してからです。
ここを体験すると、薬を使わない理由を、薬を使わない方が心地よいという意味を、
自分の体の生命力の偉大さを、自分の体を信用することを体感でき始めるのです。
ここを経て初めて、整体を観念で理解する段階から卒業となります。
そして、整体を生活の中で活かせる段階となるのです。
この段階を一人でも多くの方が味わっていただけることを願ってやみません。
体という本当に素晴らしいギフトを頂いていることを、
自覚できる貴重な機会なのですから。
整体は、死ななくなる技術ではありません。
「整体をすれば、すべての病気が消える!」
と思い込んでいる方がいます。
でも、それは違います。
もしそうした技術を求めるのなら、他をお勧めします。
整体は、体の持つ力を引き出す技術です。
生命のリズムに、より沿っていくための技術です。
これに過ぎません。
体の持つ力を発揮させれば、経過できて消える病氣もあります。
これだけのことです。
一方寿命がきて、体の持つ力が消えようとしている時は、
どんな病気でも死に至る病となります。
死は整体でも止められません。
また止めるべきものではありません。
死も、生命のリズムの一環であり、自然なことだからです。
死を含めた生を、滞りなく自然に保って行くための技術が整体です。
「治療のための技術ではないのか?」
と思われる方は多いです。
整体が何であるかは、実際に触れた方々の判断に任せたいと思いますが、
「治療技術か?」と言われれば、NOと答えます。
整体は治療ではありません。
治療を超えた、「体と心を、育てるもの」だからです。
「生命がその力を自然に発揮するための手伝い」
とも言えると私は思います。
体には、その体が本来したい働きというものが、あります。
それを見極め、円滑にさせるのが、整体の仕事です。
現代の生活環境、死生観、身体観では、
体が本来したい働きは、邪魔されがちです。
体に与えられた心身のストレスや、合わない食べ物などが、この主な原因です。
こうした障害を乗り越える強さを、お手伝いするのが整体の役割なのです。
ご注意頂きたいのですが、
「手伝う」というのは、謙虚さを誇示したいための言葉ではありません。
事実なのです。
操法室で私がお体を整えても、
ご自宅でご自身の生活で壊されてはあまり意味がありません。
操法室を出たら、
「心身の乱暴な使い方や、妙な食品や食事の仕方をしている」
「おかしなことを考え続け、反省することもしない」
ということでは、効果は少なくなります。
整体は、あなたがあなたの人生をよりよく生きるためのヒントです。
主役は、あなたなのです。
脇役の私や整体が、主役のあなたにとって代わることはできません。
この事実からの、 「手伝う」なのです。
OO病を治そうとすることも大事なことですけど、
「OO病があっても、自分の人生を楽しめる状態になること」
の方が、遙かに価値あることです。
以下は、私の希望でもあります。
病気を言い訳にしたり、病気を利用したり、病気を理由にする生き方を止め、
自分の使命に、自分のインスピレーションにそって生きて欲しいのです。
生き生き、楽々悠々と、生き切って欲しいのです。
いつの日かでも、こう感じていただけるのなら、
天心会が存在した意義が十分あります。
よろしくお願いします。